介護の資格を持っているあなたが相談員になる試論的ノート
さて、アラフィフもあと少しで終わる2020年。今までの仕事についての振り返りも兼ねて、「介護の資格を持っているあなたが相談員になる試論的ノート」として定期的に書こうと思っています。
今、介護職員をしているけど、ステップアップ*1を目指したい。身体的負担を考えると介護職を続けていくことができない。でも、相談員は私には難しい。そもそも相談員ってどのような仕事をするのかもわからない。
そんな方々に役立つ内容にしていければと思います。
そもそも相談員って?
その前にここで言う相談員を大きく二つに分けよう。
そう、病院相談員は今回の話では除外する。介護現場(もしくは事務から)病院相談員はハードルが高い。高いだけであって、慣れないわけではない。実際なった人もいるが、今は触れないでおく。後々触れる可能性はあるが。
さて、この2つの相談員の法的な立ち位置を見てみよう。
- 支援相談員
四 支援相談員
(一) 支援相談員は、保健医療及び社会福祉に関する相当な学識経験を有し、次に掲げるような入所者に対する各種支援及び相談の業務を行うのにふさわしい常勤職員を充てること。
① 入所者及び家族の処遇上の相談
② レクリエーション等の計画、指導
③ 市町村との連携
④ ボランティアの指導
とある。
また、生活相談員については
特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第46号)第5条第2項で以下のとおり定める生活相談員に準ずるとされています。
「社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者又はこれと同等以上の能力を有する者」
と言う配置基準があります。
ただし、札幌市は平成27年に明確に「介護福祉士」も生活相談員としての資格要件を満たすとなりました。そしてこの要件は今では全国に広まってきています。*2
つまり、社会福祉士でなければ相談員になれないわけでは無いのです。
相談員の法令に定められた業務は?
- 支援相談員のついては
介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準
(入退所)
第八条 介護老人保健施設は、その心身の状況及び病状並びにその置かれている環境に照らし看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療等が必要であると認められる者を対象に、介護保健施設サービスを提供するものとする。
2 介護老人保健施設は、入所申込者の数が入所定員から入所者の数を差し引いた数を超えている場合には、医学的管理の下における介護及び機能訓練の必要性を勘案し、介護保健施設サービスを受ける必要性が高いと認められる入所申込者を優先的に入所させるよう努めなければならない。
3 介護老人保健施設は、入所申込者の入所に際しては、その者に係る居宅介護支援事業者に対する照会等により、その者の心身の状況、生活歴、病歴、指定居宅サービス等(法第八条第二十四項に規定する指定居宅サービス等をいう。以下同じ。)の利用状況等の把握に努めなければならない。
4 介護老人保健施設は、入所者の心身の状況、病状、その置かれている環境等に照らし、その者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかについて定期的に検討し、その内容等を記録しなければならない。
5 前項の検討に当たっては、医師、薬剤師、看護・介護職員、支援相談員、介護支援専門員等の従業者の間で協議しなければならない。
とあります。
- 生活相談員について
指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準
第7条【入退所】2指定介護老人福祉施設は、入所申込者の数が入所定員から入所者の数を差し引いた数を超えている場合には、介護の必要の程度及び家族等の状況を勘案し、指定介護福祉施設サービスを受ける必要性が高いと認められる入所申込者を優先的に入所させるよう努めなければならない。3指定介護老人福祉施設は、入所申込者の入所に際しては、その者に係る居宅介護支援事業者に対する照会等により、その者の心身の状況、生活歴、病歴、指定居宅サービス等(法第8条第23項に規定する指定居宅サービス等をいう。以下同じ。)の利用状況等の把握に努めなければならない。介護保険法[閉じる]第8条1この法律において「居宅サービス」とは、訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護、福祉用具貸与及び特定福祉用具販売をいい、「居宅サービス事業」とは、居宅サービスを行う事業をいう。2この法律において「訪問介護」とは、要介護者であって、居宅(老人福祉法第20条の6に規定する軽費老人ホーム、同法第29条第1項に規定する有料老人ホーム(第11項、第20項及び第13条第1項第2号において「有料老人ホーム」という。)その他の厚生労働省令で定める施設における居室を含む。以下同じ。)において介護を受けるもの(以下「居宅要介護者」という。)について、その者の居宅において介護福祉士その他政令で定める者により行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって、厚生労働省令で定めるもの(定期巡回・随時対応型訪問介護看護(第15項第2号に掲げるものに限る。)又は夜間対応型訪問介護に該当するものを除く。)をいう。3この法律において「訪問入浴介護」とは、居宅要介護者について、その者の居宅を訪問し、浴槽を提供して行われる入浴の介護をいう。4この法律において「訪問看護」とは、居宅要介護者(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生労働省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)について、その者の居宅において看護師その他厚生労働省令で定める者により行われる療養上の世話又は必要な診療の補助をいう。5この法律において「訪問リハビリテーション」とは、居宅要介護者(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生労働省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)について、その者の居宅において、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションをいう。6この法律において「居宅療養管理指導」とは、居宅要介護者について、病院、診療所又は薬局(以下「病院等」という。)の医師、歯科医師、薬剤師その他厚生労働省令で定める者により行われる療養上の管理及び指導であって、厚生労働省令で定めるものをいう。7この法律において「通所介護」とは、居宅要介護者について、老人福祉法第5条の2第3項の厚生労働省令で定める施設又は同法第20条の2の2に規定する老人デイサービスセンターに通わせ、当該施設において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって厚生労働省令で定めるもの及び機能訓練を行うこと(認知症対応型通所介護に該当するものを除く。)をいう。8この法律において「通所リハビリテーション」とは、居宅要介護者(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生労働省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)について、介護老人保健施設、病院、診療所その他の厚生労働省令で定める施設に通わせ、当該施設において、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションをいう。9この法律において「短期入所生活介護」とは、居宅要介護者について、老人福祉法第5条の2第4項の厚生労働省令で定める施設又は同法第20条の3に規定する老人短期入所施設に短期間入所させ、当該施設において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことをいう。10この法律において「短期入所療養介護」とは、居宅要介護者(その治療の必要の程度につき厚生労働省令で定めるものに限る。)について、介護老人保健施設その他の厚生労働省令で定める施設に短期間入所させ、当該施設において看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことをいう。11この法律において「特定施設」とは、有料老人ホームその他厚生労働省令で定める施設であって、第20項に規定する地域密着型特定施設でないものをいい、「特定施設入居者生活介護」とは、特定施設に入居している要介護者について、当該特定施設が提供するサービスの内容、これを担当する者その他厚生労働省令で定める事項を定めた計画に基づき行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって厚生労働省令で定めるもの、機能訓練及び療養上の世話をいう。12この法律において「福祉用具貸与」とは、居宅要介護者について福祉用具(心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障がある要介護者等の日常生活上の便宜を図るための用具及び要介護者等の機能訓練のための用具であって、要介護者等の日常生活の自立を助けるためのものをいう。次項並びに次条第12項及び第13項において同じ。)のうち厚生労働大臣が定めるものの政令で定めるところにより行われる貸与をいう。13この法律において「特定福祉用具販売」とは、居宅要介護者について福祉用具のうち入浴又は排せつの用に供するものその他の厚生労働大臣が定めるもの(以下「特定福祉用具」という。)の政令で定めるところにより行われる販売をいう。14この法律において「地域密着型サービス」とは、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護及び複合型サービスをいい、「地域密着型サービス事業」とは、地域密着型サービスを行う事業をいう。15この法律において「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」とは、次の各号のいずれかに該当するものをいう。16この法律において「夜間対応型訪問介護」とは、居宅要介護者について、夜間において、定期的な巡回訪問により、又は随時通報を受け、その者の居宅において介護福祉士その他第2項の政令で定める者により行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって、厚生労働省令で定めるもの(定期巡回・随時対応型訪問介護看護に該当するものを除く。)をいう。17この法律において「認知症対応型通所介護」とは、居宅要介護者であって、認知症であるものについて、老人福祉法第5条の2第3項の厚生労働省令で定める施設又は同法第20条の2の2に規定する老人デイサービスセンターに通わせ、当該施設において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって厚生労働省令で定めるもの及び機能訓練を行うことをいう。18この法律において「小規模多機能型居宅介護」とは、居宅要介護者について、その者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、その者の選択に基づき、その者の居宅において、又は厚生労働省令で定めるサービスの拠点に通わせ、若しくは短期間宿泊させ、当該拠点において、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって厚生労働省令で定めるもの及び機能訓練を行うことをいう。19この法律において「認知症対応型共同生活介護」とは、要介護者であって認知症であるもの(その者の認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者を除く。)について、その共同生活を営むべき住居において、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことをいう。20この法律において「地域密着型特定施設入居者生活介護」とは、有料老人ホームその他第11項の厚生労働省令で定める施設であって、その入居者が要介護者、その配偶者その他厚生労働省令で定める者に限られるもの(以下「介護専用型特定施設」という。)のうち、その入居定員が二十九人以下であるもの(以下この項において「地域密着型特定施設」という。)に入居している要介護者について、当該地域密着型特定施設が提供するサービスの内容、これを担当する者その他厚生労働省令で定める事項を定めた計画に基づき行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって厚生労働省令で定めるもの、機能訓練及び療養上の世話をいう。21この法律において「地域密着型介護老人福祉施設」とは、老人福祉法第20条の5に規定する特別養護老人ホーム(入所定員が二十九人以下であるものに限る。以下この項において同じ。)であって、当該特別養護老人ホームに入所する要介護者に対し、地域密着型施設サービス計画(地域密着型介護老人福祉施設に入所している要介護者について、当該施設が提供するサービスの内容、これを担当する者その他厚生労働省令で定める事項を定めた計画をいう。以下この項において同じ。)に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設をいい、「地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護」とは、地域密着型介護老人福祉施設に入所する要介護者に対し、地域密着型施設サービス計画に基づいて行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話をいう。22この法律において「複合型サービス」とは、居宅要介護者について、訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、認知症対応型通所介護又は小規模多機能型居宅介護を二種類以上組み合わせることにより提供されるサービスのうち、訪問看護及び小規模多機能型居宅介護の組合せその他の居宅要介護者について一体的に提供されることが特に効果的かつ効率的なサービスの組合せにより提供されるサービスとして厚生労働省令で定めるものをいう。23この法律において「居宅介護支援」とは、居宅要介護者が第41条第1項に規定する指定居宅サービス又は特例居宅介護サービス費に係る居宅サービス若しくはこれに相当するサービス、第42条の2第1項に規定する指定地域密着型サービス又は特例地域密着型介護サービス費に係る地域密着型サービス若しくはこれに相当するサービス及びその他の居宅において日常生活を営むために必要な保健医療サービス又は福祉サービス(以下この項において「指定居宅サービス等」という。)の適切な利用等をすることができるよう、当該居宅要介護者の依頼を受けて、その心身の状況、その置かれている環境、当該居宅要介護者及びその家族の希望等を勘案し、利用する指定居宅サービス等の種類及び内容、これを担当する者その他厚生労働省令で定める事項を定めた計画(以下この項、第115条の45第1項第5号及び別表において「居宅サービス計画」という。)を作成するとともに、当該居宅サービス計画に基づく指定居宅サービス等の提供が確保されるよう、第41条第1項に規定する指定居宅サービス事業者、第42条の2第1項に規定する指定地域密着型サービス事業者その他の者との連絡調整その他の便宜の提供を行い、並びに当該居宅要介護者が地域密着型介護老人福祉施設又は介護保険施設への入所を要する場合にあっては、地域密着型介護老人福祉施設又は介護保険施設への紹介その他の便宜の提供を行うことをいい、「居宅介護支援事業」とは、居宅介護支援を行う事業をいう。25この法律において「施設サービス」とは、介護福祉施設サービス及び介護保健施設サービスをいい、「施設サービス計画」とは、介護老人福祉施設又は介護老人保健施設に入所している要介護者について、これらの施設が提供するサービスの内容、これを担当する者その他厚生労働省令で定める事項を定めた計画をいう。
となっている。
それだけ??
ぶっちゃけた話からすると、「生活相談員が」「支援相談員が」という文言から始まる法令は見当たらないのです。
でも、相談員でいろんなことをやっている??もしくは、よくわからないことやってて忙しそうにしてるときくけと、実は暇なんじゃない??と思っていませんか??
そうなんですよ。そこに問題が潜んでいます。
では、それは次回に
- 職場としての相談員の立ち位置と業務について(歴史含む たぶん)
- 相談員として働く個人としての倫理について
として、お話しようと思います。
初回は少し小難しいところから入ってきました。
次回もよろしくです。