介護の資格を持っているあなたが相談員になる試論的ノート ②
さて、前回は相談員になれる人、それは社会福祉士だけでは無いこと。
法令で定められた「やらなければならないこと」を話しましたが
今回は
- 職場としての相談員の立ち位置と業務について
を話したいと思います。
職場としての相談員の立ち位置と業務について
これを知るには、今働いている職場が介護事業所であれば、自事業所の「組織図」と「運営規程」を見てみましょう。
運営規程は見たこと無い??法令上、施設内で掲示をしなければならないので、ほとんどは玄関先に貼っていると思います。
組織図をみたなら、相談員はどのように配置されているのか見てみましょう。
- 相談課として介護支援専門員と一緒にくくられていて、施設長の下になっている。
- 施設長→医務→相談課になっている
- 事務と一緒のカテゴリーに入れられている。
大きく分けると、こんなところでしょうか。もちろん、もっと細やかに組織図を作っているところも在るでしょう*1
なんで相談員って、組織の中での立ち位置が不透明なんでしょうね。
それは生活相談員としての職種の歴史が大いに関係していると思います。
日本における相談業務に関わる職種は、1963年に制定された老人福祉法において「生活指導員」として初めて位置づけられました。
この法令は行政の責任において市町村が必要なサービスを判断し、それに従って生活を送るいわゆる「措置制度」での応対でしたね。
このときの相談業務に関わる職種は「生活支援員」と呼ばれていましたが、その時から施設設備のメンテナンス、運転に伴う送迎、運営管理などいわゆる「介護職員*2」が担うには難しい業務を任されることが少なく無かった。そう。昔から何でも屋扱いだったのです。
そして配置基準としては、おおよそ1施設に対して1名程度。
結果、近年においても生活相談員の業務が
- 自身の専門職としての意識と乖離している
- 生活相談員として関わる業務について差があること
- 生活相談員の仕事ぶりが施設長に認められ管理的な立場に移行し、生活相談員としての業務より管理職としての業務が増大してしまう
という現状が見受けられる。
そう、生活相談員は、施設として使い勝手のよい「何でも屋」的扱いなのだ。あなたの周りの相談員でもいるだろう。毎日送迎のため運転している相談員。なんかわからないけどいつもレク材を作っている相談員。パソコンばかりにらめっこしている相談員。。。。もちろん、利用者の生活を支える上で、生活相談員が「何でも屋」になる必要はあるだろうが。
それでも、組織的に配置基準を満たしていれば、相談員は相談員なのだ。
だから、いろんな事業所でいろんなわけのわからない組織図の中にはめられていってしまうのだろう。
個人的な意見とすれば、相談員がいなくても施設業務は回ってしまうのだ。
でも、そんな形で働いていて意味が在るのだろうか。それなら、介護職員として働いていたほうが全然いいと個人的には思ってしまう。
でも、会社側がそんな相談員を求めていて、求人をかけても来ない事業所ではたらいているのであれば、もしあなたが相談員をしてみたいとすればチャンスです。
前回の資格要件を満たしているのであれば、相談員になりたいと声を上げていいでしょう。
「何でも屋」でこき使われるって嫌だって??
はい、私もそうでした。
でも、だいたいそんな事業所の上は相談員が何をするものかわかっていないのです。
なら、なってからガラッと変えてやりましょうww
では、次回は
- 相談員として働く個人としての倫理について*3
です。